米鉄鋼大手USスチールの買収を計画している日本製鉄は4日、買収後のUSスチール取締役の過半を米国籍にする方針を発表した。「USスチールは米国企業として存在し続ける」と強調し、買収への理解の取り付けを狙う。
日鉄はこの日、買収後の企業統治方針を公表。取締役の過半数は米国籍にする▽取締役会は少なくとも3人の米国籍の社外取締役を含む▽経営陣の中枢メンバーは米国籍にする、とした。米国市場への対応では、USスチールでの米国生産を、日本などからの輸出より優先する、とも打ち出した。
USスチールをめぐっては米大統領選の民主党候補のハリス副大統領が2日に「米国で所有・運営され続けるべきだ」と述べたばかり。共和党のトランプ前大統領は「買収を阻止する」としている。(山本精作)